レーンを守る: EvidenとArgusが自動車のサイバーセキュリティ強化のために提携

レーンを守る: EvidenとArgusが自動車のサイバーセキュリティ強化のために提携

コネクテッドカーとソフトウェア・デファインド・ビークルは、運転に革命をもたらしています。新しいテクノロジーは運転体験を向上させ、安全性を高める一方で、コネクティビティの向上は、自動車をより大きなサイバーセキュリティリスクにさらすことにもなります。

ソフトウェアの脆弱性を悪用すれば、セーフティ・クリティカルなシステム(ブレーキなど)を侵害したり、個人情報にアクセスしたり、あるいは遠隔から車を始動させることもできます。これは、19歳のIT専門家がサードパーティ製アプリの脆弱性を悪用し、複数の車両機能を遠隔操作したテスラ・ハックの例で実証されています。最近よく聞かれる自動車盗難の手法である「CANインジェクション」と呼ばれるハッキング技術では、窃盗犯はキーを使用せずに、2分以内に車のロックを解除し、始動させ、盗むことができます。

データプライバシー規制がOEMに与える影響

データプライバシーは、自動車のコネクティビティの重要な要素の1つです。自動車から収集されるデータはOEMが顧客理解を深めるのに役立ちますが、同時に倫理的・法的な課題ももたらします。OEMはGDPRやCCPAといったデータ保護法を遵守する必要があり、自動車から収集される個人データを扱う際には、同意、セキュリティ、透明性が求められます。

データプライバシー規制を遵守することで、OEMはリスクを回避し、顧客との信頼を築くことができます。また、自社の製品やサービスを革新し、差別化するためにデータプライバシーを活用することもできます。プライバシー・バイ・デザインの原則と信頼性の高いセキュリティ・ソリューションを適用することで、OEMは顧客の期待に応えることができて、よりユーザー中心の安全なソリューションを構築することができます。

OEMに車両セキュリティ・オペレーション・センター(VSOC)が必要な理由

自動車に対するサイバー攻撃は、費用のかかるリコールや規制上の問題から賠償責任や評判の低下まで、OEMに大きな財務的インパクトを与えます。サイバーによって発生した自動車盗難は、保険会社への請求が増えることを意味し、ひいては所有者や車両運行会社の保険料が上がる可能性があります。

こうした現実の脅威を反映し、UNR155のような新しい自動車サイバーセキュリティ規制は、サイバー攻撃を検知、監視、調査、対応するシステムの導入をOEMに義務付けています。2024年7月には、すべての新型車または継続生産車が、サイバーセキュリティに関するUNR 155型式認証の対象になります。

その結果、OEM各社はサイバーセキュリティ能力を強化し、新たな自動車サイバーセキュリティ規制や基準に準拠できるようシステムを導入しています。

ここ数年の間に、従来のIT SOCで自動車サイバーセキュリティの規模、複雑さ、課題に対応するためには最適化が必要なことにOEMが気づき始めています。つまり、何百万ものエンドポイントを保護する必要性、12~15年の車両寿命、非常に複雑なサプライチェーン、厳格なコンプライアンス要件、コストのかかる緩和プロセスなどが含まれるためです。

最も重要なことは、ネットワークやデータを標的とするITサイバー攻撃とは異なり、自動車サイバー攻撃の影響は人命にかかわる可能性があるということです。悪意のあるハッカーが自動車のブレーキシステムを侵害するシナリオを想像してみてください。

人命が危険にさらされる可能性があり、何百万台ものコネクテッドカーがすでに運用されているため、OEMは車両をリアルタイムで監視し、車両に影響が及ぶ前に潜在的な脅威を検知するMDR(Managed Detection and Response)ソリューションを必要としています。従って、OEMはサイバー攻撃をリアルタイムで監視、調査、対応する専用の車両SOC(VSOC)を構築しているのです。

ソリューション:自動車のサイバーセキュリティに合わせた最適なMDRサービス

最高の防御を実現するための専門知識の統合: Evidenとアルガスは、自動車サイバーセキュリティのために特別に設計されたクラス最高のエンドツーエンドMDRサービスを提供するために提携しました。この包括的なソリューションは、自動車の脆弱性と技術に関するアルガスの深い理解と、Evidenの実績あるMDRの専門知識をシームレスに統合しています。

可視性と脅威検知を強化: このサービスは、自動車に特化した豊富なユースケース、プレイブック、100以上のAIモデルとともにアルガスのVehicle SIEMをEvidenのMDRプラットフォームAIsaac Cyber Meshと活用することで、車両フリート全体の脅威検知と可視性を最大化します。アルガスのvSIEMはAIsaacと統合されており、数百万ものセンサーやコンポーネントから膨大な量のデータを取り込み、高度な機械学習とビッグデータアルゴリズムを活用してサイバーインシデントの可能性を分析します。この詳細な分析は、攻撃ソース、侵害場所、潜在的な影響などをピンポイントで特定し、重要なコンテキストを提供します。

プロアクティブな脅威ハンティングと迅速なレスポンス: EvidenのMDRサービスは、ユーザー、ネットワーク、クラウド、データセンターを含む複数のベクトルを用いて常に脅威ハンティングを行っており、受動的な検知のレベルを超えています。Amazon BedrockのジェネレーティブAIエンジンと組み合わされた100を超えるAIモデルを武器として、調査とレスポンスを加速します。さらに、アルガスとの共同ソリューションを用いることで、脅威を迅速に封じ込め、潜在的な被害を最小限に抑えることを可能にします。

無敵の防御のための専門家のコラボレーション: MDRサービスは、脅威ハンター、フォレンジック調査官、倫理的ハッカー、インシデント対応者を含むEvidenのエリートセキュリティ専門家チームと、アルガスの自動車サイバーセキュリティ・リサーチャーがシームレスに連携します。これらの専門知識により、あらゆる規模のOEMに対して包括的な脅威の検知と対応を保証します。

グローバルサポートとスケーラビリティ: 世界中に戦略的に配置された16の次世代SOCを特徴とするEvidenの堅牢な運用インフラは、規模や場所に関係なく、どのようなOEMに対しても確実なサポートを保証します。

つまり、Evidenとアルガスは、自動車サイバーセキュリティ特有の要求に合わせた最高のMDRソリューションを提供します。この提携により、より優れた可視性、積極的な脅威ハンティング、迅速な対応、および専門家によるガイダンスを提供し、変化し続けるサイバー脅威の状況に対し、OEMが自信を持って対処できるよう支援します。

秘訣:自動車に関するノウハウ

最高クラスの技術、プロセス、スキルを持ったリソースも重要ですが、真に効果的なVSOCサービスの秘訣は、自動車に関するノウハウです。

サイバーリスクに関連する実用的な洞察を導き出すために、どのようなデータを評価すべきかを知るためには、サイバー技術や研究の経験とともに、自動車のアーキテクチャ、プロトコル、ネットワークに対する深い理解が不可欠です。

この提携により提供できるようになったオートモーティブMDRは、600人年以上の自動車サイバーセキュリティ技術と研究を通じて得た自動車に関する深いノウハウを反映しています。この専門知識とエビデンのSOCにおける深い業界知識により、誤検知を最小限に抑えつつ高い検知率を実現しています。

Evidenとアルガス:よいパートナーシップ

Evidenとアルガスは、脅威ハンティング、インシデント管理、SOCオペレーションを含む包括的なVSOC/MDRサービスをOEMに提供します。EvidenのサイバーセキュリティとSOCの専門知識とアルガスの自動車サイバーセキュリティの深い知識を組み合わせることで、このパートナーシップは自動車業界の変化を続けるサイバーセキュリティのニーズを満たす最善のソリューションを作り出します。

提携して提供するソリューションは、自動車メーカーに対して、増え続けるサイバー脅威をプロアクティブに検知・対応し、リスクを低減するとともに、新たな自動車サイバーセキュリティ規制への準拠を支援することができます。

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